AIに選ばれた国、選ばれなかった国

天秤に載った状態の異なる二つのAI端末を見ながら考え込む夫の手描きイラスト

AIによって国家間の格差が広がっている

最近思うのが、AIによって国家間の格差が、実はすごく広がっているんじゃないかということです。

AIによって情報格差がなくなるとか、翻訳の壁がなくなるという話があります。

例えば日本では、日本語でAIになんでも聞けます。海外の情報も翻訳して持ってきてくれるので、以前より情報にたどり着きやすくなりました。

これはものすごく便利なことです。

ただ一方で、実はAIに選ばれている国と、選ばれていない国があるんじゃないかと思います。そして、AIに選ばれた国は、すごい勢いで変わっていくのです。

ミャンマー人とコミュニケーションを取っていて思うこと

なぜこんなことを考えるのかというと、私は普段、ミャンマー人とコミュニケーションを取る機会があるからです。

実際にやり取りをしていると、日本語とミャンマー語では、AIを使える環境がまったく同じではないと感じます。

ミャンマー語で質問したり翻訳したりしても、あまり良い精度が出ません。

つまり、ミャンマーの人がAIを使っても、日本人が日本語で使うときと同じ精度にはならないということです。

ミャンマー語でAIを解説する情報が少ない

AIというとChatGPTを思い浮かべるのが簡単ですが、今はClaude CodeやCodexなど、いわゆるAIエージェントも出てきています。こちらが細かく指示しなくても、ある程度自分で考えて作業してくれるようなものです。さらに自分でMCPを繋いだりオーケストレーションを作るこもできます。

一方、ミャンマーでは、そもそもミャンマー語でAIエージェントの使い方を解説している人がいない。

日本語であれば、新しいAIサービスが出るたびに、解説記事や動画がどんどん出てきます。使い方がわからなければ、日本語で検索して日本語の解説を見ることができます。

ミャンマー語では、その情報が圧倒的に少ないわけです。

そのため、私が使い方を教えても、やっぱりいまいち伝わらないことがあります。もちろん、単純にAIの使い方がうまくない人は日本にもいますけどね。

ただ、日本人の場合は、うまく使えなくても参考にできる日本語の情報が大量にあります。この違いはかなり大きいと思います。

100ドルは月の給料くらいになる

もう一つは、値段の問題です。

AIのサブスクは月額10ドル〜30ドルあたりから、高いプランでは100ドルや200ドルくらいまであります。

日本でも月額100ドル、200ドルとなると、ちょっと高いなと思います。ただ、仕事で使うなら払える人もいますし、会社の経費にできる場合もあります。

しかし、ミャンマーでは100、200ドルという金額は、一般的なミャンマー人の月給くらいになります。

日本人が「少し高いけれど、仕事に使うなら契約してみよう」と考える100ドルと、ミャンマーの人が考える100ドルでは、まったく意味が違うわけです。

これは、単に同じサービスが同じ価格で提供されているという話ではありません。

形式上は誰でも契約できます。しかし、一方では仕事を効率化するための月額料金で、もう一方では月の給料に近い金額になる。

そう考えると、最初から同じスタート地点には立っていません。

AIに選ばれた国と、選ばれていない国

つまり、言語の精度に差がある。使い方を解説する情報量にも差がある。そして、料金を払えるかどうかにも差がある。

AIは情報格差をなくしてくれるものだと思われています。実際、日本にいて日本語で使っていると、その感覚はかなりあります。

しかし、日本人とミャンマー人の両方とコミュニケーションを取る立場から見ると、むしろAIによって国家間の格差が広がっている部分もあるように見えます。

日本では、普通の人でも高性能なAIを日本語で使えて、その使い方も日本語で学べます。月額料金も、少なくとも月の給料そのものになるような金額ではありません。

私自身、AIをかなり使いやすい国に生まれて、日本でよかったなと、さもしい心ながら思うところもあります。

今回はミャンマーを例に使ってみましたが、同じ状況の国は他にもたくさんあると思います。

使える人が国内で「神」のようになる可能性

ただ、逆の見方もできます。

もしミャンマーのように、まだAIを使いこなせる環境が十分ではない国で、AIをものすごく使いこなせる人が現れたとします。

そうすると、その人はミャンマー国内では、もう神のような存在になるんじゃないかと思います。

日本ではAIを使っている人もかなり増えています。もちろん、使う人と使わない人の差はありますが、AIを使えること自体は、今後それほど珍しくなくなるでしょう。

しかし、まだ使える人が少ない国なら、一人だけ使えることの価値がものすごく大きくなります。

ミャンマーがそういう状況だからこそ、その中でAIを使える人間になったら、ものすごく強い。

国家間の格差が広がっているという話ではあるんですが、その格差がある場所で先に使える側へ回れば、個人としては一気に抜け出せる可能性もあります。

結局、どの国にいるかだけで決まる話でもなく、その環境をどう捉えて、どう使うかによって、また変わってくるんだろうなと思います。

天秤に載った状態の異なる二つのAI端末を見ながら考え込む夫の手描きイラスト

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この記事を書いた人

普段はWEBまわりの仕事をしつつ、AIにのめり込んで、走ったり飲んだり猫かわいがったりしています。