もうすぐWWDCですね!
WWDCとはAppleが毎年開催している開発者向けイベントです。開発者向けと行っても新製品などの発表会なのでApple信者にとっては年に1回のお祭りです。今年は6月10日(現地時間)に開催されます。
さて、そんなWWDCですが今年の見所にの一つに「iOS 7」の発表が期待されます。
iOSのバージョンアップは頻繁にある方ですが、iOS 7では設計が大きく変更される予定です。
しかも、Appleのチーフデザイナーのジョナサン・アイブが関わっているそうです。
速報:米アップル、iOS7で大幅に設計変更へ ―公式発表 | ガジェット速報
http://ggsoku.com/2013/05/ios7-change-design/
ジョナサン・アイブはApple製品のプロダクトデザインを手がけていますが、Appleのソフトウェアに関わってくるのは初めてではないでしょうか。
MacもiPhoneのデザインも世界で賞讃されていますが、そんなデザインを手がけたジョナサン・アイブがUIにも関わってくるとなると、ついつい期待してしまいます。
さて、そんなiOS 7のUIですが↓のような「フラットデザイン」に大きく変更になるという噂があります。
※Apple非公式の画像。Siriのイメージ。
フラットデザインとは?
「フラットデザイン」とは何なのでしょうか?
まず、現在のiOSのデザインは以下のようなものです。
ボタンと分かるようにポコッと膨らんだデザインなのが分かります。
対して、フラットデザインは以下のようなものです。
グラデーションは使用せずに単色でマットなデザインです。
フラットデザインはgoogleも採用しています。Windows 8もフラットデザインですね。
このフラットデザインにAppleもなるのでは?と噂されているのです。
何故、各社フラットデザインを採用するのでしょうか?
これには最近では「デザインあ」も手掛けられてる中村勇吾さんの過去のツイートがヒントになりそうです。
中村勇吾さんの「アップルのデザインに対する違和感」
以下は中村勇吾さんの2012年2月のツイート。
アップル製品、プロダクトデザインでは素材に忠実に向き合ったミニマルなデザインを指向してるが、インターフェースデザインではフェイクの立体感や材質感を多用し、スクリーンという実平面はないものとして、仮想的な空間性を並行的に存在させ、マキシマムな「てんこ盛り」デザインを展開してる。
— Yugo Nakamura (@yugop) February 2, 2012
要するにプロダクトとインターフェースの意匠の方向性が全く逆なわけだが、この矛盾こそが「ただのグッドデザイン」に終わらない、面白さの源泉だという見方がある。一方で、「デザインの首尾一貫性」という面ではなんか気持ち悪いという見方もある。俺はずっと「気色悪っ!」って思ってる。
— Yugo Nakamura (@yugop) February 2, 2012
まあ、単純に、好き嫌いなんだけどね。
— Yugo Nakamura (@yugop) February 2, 2012
要するに、スクリーンを「プロダクトの延長の実平面」と捉えるか、「仮想的な空間を覗く窓」と捉えるかの違いで、どちらもそれぞれに、気持ち良い面、気持ち悪い面をもっている。そこの選択にいつも頭を悩ます。
— Yugo Nakamura (@yugop) February 3, 2012
ちなみに現状のアンドロイドのスマートフォンのUIなどの意匠を考える場合では、現実的には選択の余地はなく、スクリーンを仮想空間と捉えることを余儀なくされる。単純にマーケットで流通してるアイコンがフェイク立体感/素材感に満ちてるから。そこに合わさざるを得ない。
— Yugo Nakamura (@yugop) February 3, 2012
ただ、最近のGoogleやMicrosoftは意図的にAppleとは真逆の、プレーンな2D感を打ち出そうとしていて、俺の好みでは「そっち方向でどんどん頑張ってください!」と思う。「Apple的仮想感よ、はやくダサくなれ」と。
— Yugo Nakamura (@yugop) February 3, 2012
もう少し書くと、あるルールの仮想性の上に違うルールの仮想性がどんどん重層していく、WEBならではの「仮想のコンポジション」みたいなものは確かにあって昔から脈々とそのバリエーションが編み出されるわけだけど、まあ、なんというか、バリエーションだわなあ、とは思う。
— Yugo Nakamura (@yugop) February 3, 2012
で、WEBにおける「仮想のコンポジション」は色々と楽しかったりするんだけど、「ブラウザやOSのUIは、別にそこに参加しなくていいんじゃね?」ということです。
— Yugo Nakamura (@yugop) February 3, 2012
中村勇吾さんの「アップルのデザインに対する違和感」 – Togetter
http://togetter.com/li/251604
スマートフォンのスクリーンをどう捉えるか?
スクリーンを「プロダクトの延長の実平面」と捉えるか、「仮想的な空間を覗く窓」と捉えるか?というのは分かりやすい指摘だと思います。
デスクトップPCだと入力デバイスがキーボードのような端末なので「仮想的な空間を覗く窓」な要素が強くなります。
しかし、スマートフォンのような直接、指で動作する端末だと「プロダクトの延長の実平面」な要素が強くなるのも理解できます。
勿論、どちらが優れてるという訳ではありませんが、スマートフォンにおいては「プロダクトの延長の実平面」に適したデザインである「フラットデザイン」が採用されやすいのかも知れません。
このスマートフォンのUI問題にジョナサン・アイブがどのような回答を出してくるのか非常に楽しみです。
WWDC 2013は6月10日です!
…しかし、こういう期待値が高い発表だとジョブズにプレゼンして欲しかったと思いますね。はぁ。
ジョナサン・アイブについては↓のような記事も書いてます。
使う言葉に気をつけよう。ジョナサン・アイヴのアドバイス。
https://www.kigurumi.asia/tsuma-to-otto/1778/
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